助動詞の基本
助動詞とは
動詞にくっついて、動詞の意味を助ける言葉を助動詞といいます。「can」や「must」が有名です。助動詞の使い方はとても簡単です。
- 助動詞の後ろは動詞の原形(もとの形)。
「ing」とか「s」とか「ed」は絶対につけません。 - 否定文にするときは、助動詞の後ろに「not」をつける。
- 疑問文にするときは、助動詞を前にもっていく。
助動詞の使い方はこの3つを覚えるだけです。すごく簡単です。大変なのは、助動詞の意味をひとつひとつ覚えなければならないということです。
何度も書いていますが、私は「物覚えの悪さなら自信がある!」と豪語する程に暗記が苦手です。助動詞を覚えるのも苦労した記憶があります。頑張ってください!
一気にたくさん覚えるのは大変ですので、このページではまずは会話でよく使う基本的なものだけ紹介していきます。焦らずゆっくりと覚えましょう!
基本的な助動詞
助動詞と、助動詞の意味、ほとんど同じ意味で使える言葉、助動詞の過去形を並べていきます。
- can 「~できる」(可能)
≒be動詞 + able to
過去形 → could - will 「~するつもり」(未来)
≒be動詞 + going to
過去形 → would - may 「~してもよい」(許可)
過去形 → might - must 「~しなければならない」(強い義務)
≒have to
過去形 → なし - should 「~すべき」(義務)
≒ought to
過去形 → なし - shall (提案)
Shall I ~? 「~(私が)しましょうか?」
Shall we ~? 「~(私たち一緒に)しませんか?」
過去形 → should
とりあえずこれだけ覚えておけば日常会話は乗り切れます。これだけでも大変だと思いますが、頑張って覚えてください!
「助動詞 + 動詞の原形」の文を作っていきます。「助動詞を覚えるぞ!」という気持ちで英語にしていきましょう。
語順はいつも通り「~は、~している、人に、物を、場所、時」の順番です。
話すときは、とりあえず「~は、~できる。」や、「~は、~すべきだ。」まで言ってしまいましょう。続く言葉は話しながら考えます。
読める!読めるぞ!
I can read! I can read!
≒I am able to read! I am able to read!
read → 読む
「~できる」は「can」または「be動詞 + able to」を使います。
俺はまた戻ってくる。
I will be back.
≒I am going to be back.
back → 戻って
未来のことを言っているので「will」を使います。「I will」を短縮形にして「I'll be back.」と言ってもOKです。
「will」と「be動詞 + going to」は意味が似ているのですが、今回の例文はちょっと意味が変わってしまう感じがします。
「will」には「自分の意志」というニュアンスが入っているので、ターミネーター的には絶対に「will」を使いたいですね。
僕は泣かない。泣かない。いいや、涙は流さない。
I won't cry, I won't cry, no I won't shed a tear.
won't → 「will not」の短縮形
cry → 泣く
shed → 流す
tear → 涙
未来のことを言っているので「will」を使います。否定文なので、「will」の後ろに「not」がついてます。
「stand by me」は名曲です。
踊りませんか?
ごめんなさい。
Shall we dance?
I'm sorry.
dance → 踊る
「~しませんか」とお誘いしているので、「Shall we ~?」を使います。女性にはダンスの申し出を断る権利があります・・・。
入っても良いですか?
もちろんです。
May I come in?
Sure.
come in → 入る
sure → もちろん
「May I ~?」は、丁寧に許可を求める時によく使う表現です。
そのメイドは猫耳をつけるべきですか?
はい、つけるべきです
Should the maid wear cat ears?
Yes, she should.
maid → メイド
wear → 身につける
cat ear → 猫耳
「~すべき」は「should」です。疑問文なので「should」が前にきています。
(私は)必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬ。
I must definitely get rid of the cruel ruthless king.
≒I definitely have to get rid of the cruel ruthless king.
definitely → 決定的に
get rid of ~ → ~を取り除く
cruel → 非情な
ruthless → 冷酷な
「~しなければならない」は「must」または「have to」です。
トリエラは生きて帰らなければならない。
Triela must come back alive.
≒Triela has to come back alive.
Triela → トリエラ
come back → 戻ってくる
alive → 生きて
「~しなければならない」は「must」または「have to」です。主語がトリエラで三人称単数なので、「have」は「has」に変わっています。(三人称単数についてはこちら)
パスタの国の王子様は、ついにフォークを見つけることができました。
The prince of the Land of Pasta could finally find a fork.
≒The prince of the Land of Pasta was finally able to find a fork.
prince → 王子
of ~ → ~の
the Land of Pasta → パスタの国
finally → ついに
find → 見つける
fork → フォーク
「~できる」は「can」または「be動詞 + able to」を使います。忘れずに過去形にしましょう。
アンジェリカは友達たちと一緒に星を見に行くことができませんでした。
Angelica couldn't go to see the stars with her friends.
≒Angelica wasn't able to go to see the stars with her friends.
Angelica → アンジェリカ
couldn't → could notの短縮形
go to see → 見に行く
with ~ → ~と一緒に
wasn't → was notの短縮形
「~できる」は「can」または「be動詞 + able to」を使います。
「~できる」「~するつもり」「~しなければならない」などの助動詞を使う例文を自分で作って、英語にしてみましょう。
「must」と「have to」の否定文
「must」と「have to」は、どちらも「~しなければならない」という似た意味の言葉なのですが、否定文では意味が全く異なります。
- mustの否定文 must not
「~してはならない」「~してはいけない」 - have to, has toの否定文
don't have to, doesn't have to
「~しなくてもよい」「~する必要はない」」
「must not」は強い言葉で、「~するな」という命令と同じくらいの厳しさがあります。
それに対して「don't have to」は、やってもやらなくてもよいというような、ほとんど強制力のない表現になります。
「must not」と「don't have to」の意味の違いに注意しながら英語にしましょう。
笑ってはいけない。
You must not laugh.
laugh → 笑う
「~してはいけない」は「must not」です。年末番組のように、笑うと叩かれるくらいの強い効力を持った表現になります。
(君は)No.1にならなくてもいい。
You don't have to become number one.
become → ~になる
「しなくてもよい」は「don't have to」です。
まどかは今契約しなければなりませんか?
それには及ばないわ。
Must Madoka make a contract now?
No, she doesn't have to.
make a contract → 契約する
now → 今
「~しなければなりませんか」と聞かれた時に「No」で答える場合、普通は「いいえ、その必要はありません」と答えます。 「~する必要はない」なので「don't have to」を使います。今回はまどかが三人称単数なので「doesn't have to」になりました。
さくらはお兄ちゃんを起こさなければなりませんでしたか?
はい、そうです。
Did Sakura have to wake up her brother?
Yes, she did.
wake up → 起こす
過去形の疑問文なので、文頭に「Did」がついています。(過去形についてはこちら)
この箱を決して開けてはいけないよ。
You must never open this box.
must never ~ → 決して~してはいけない
「must not」を強める意味で「must never」を使うこともできます。
「~してはいけない」や「~する必要はない」という例文を自分で作って、英語にしてみましょう。
2つの助動詞を組み合わせる
例えば「できるようになるだろう」と言いたいとき、未来のことだから「will」を使わなければならないし、可能の表現だから「can」を使わなければいけません。
ところが、残念ながら助動詞を2つ連続で使うことはできません。ですので、助動詞の書き換えを使って表現します。
- 未来+可能 「できるようになるだろう」
will be able to - 未来+義務 「しなければならないだろう」
will have to - 義務+可能 「できなくてはならない」
must be able to
(例文)アリスはすぐに上手に日本語を話せるようになるだろう。
Alice will be able to speak Japanese well soon.
(例文)忍はひとりでイギリスに行かなければならないだろう。
Shinobu will have to go to the U.K. by herself.
(例文)忍はイギリスでは英語を話せなければならない。
Shinobu must be able to speak English in the U.K..
次のページも、もう少し助動詞の話が続きます。